○矢掛町情報公開条例
平成15年12月15日
条例第19号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 公文書の開示(第5条―第18条)
第3章 審査請求(第19条―第25条)
第4章 削除
第5章 補則(第27条―第33条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,地方自治の本旨にのっとり,町が保有する公文書の開示について必要な事項を定めることにより,町民の知る権利を保障するとともに,町政運営の公開性の向上及び町政に対する理解と信頼を確立し,もって町民参加による公正で開かれた行政の実現を一層推進することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「実施機関」とは,町長,教育委員会,選挙管理委員会,監査委員,農業委員会,固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
2 この条例において「公文書」とは,実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フィルム及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。),その他これらに類するものであって,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものをいう。
3 この条例において「開示」とは,閲覧若しくは視聴に供し,又は写しを交付することをいう。
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は,この条例の運用に当たっては,公文書の開示を請求する町民の権利を十分に尊重するとともに,個人に関する情報が十分に保護されるよう最大限の配慮をしなければならない。
(利用者の責務)
第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を請求しようとするものは,この条例により認められた権利を正当に行使するとともに,公文書の開示により得た情報をこの条例の目的に即して適正に使用しなければならない。
第2章 公文書の開示
(公文書の開示を請求できるもの)
第5条 次に掲げるものは,実施機関に対して公文書の開示(第5号に掲げるものにあっては,当該利害関係に係る公文書の開示に限る。)を請求することができる。
(1) 町内に住所を有する者
(2) 町内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
(3) 町内に存する事務所又は事業所に勤務する者
(4) 町内に存する学校に在学する者
(5) 前各号に掲げるもののほか,実施機関が行う事務事業に利害関係を有するもの
(公文書の開示請求の方法及び審査)
第6条 前条の規定により公文書の開示の請求(以下「開示請求」という。)をしようとするものは,次に掲げる事項を記載した所定の請求書(以下「開示請求書」という。)を実施機関に対して提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては,その名称,主たる事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 次に掲げるものの区分に応じ,それぞれ次に掲げる事項
ア 前条第2号に掲げるもの
そのものの有する事務所又は事業所の名称及び所在地
イ 前条第3号に掲げる者
その者の勤務する事務所又は事業所の名称及び所在地
ウ 前条第4号に掲げる者
その者の在学する学校の名称及び所在地
エ 前条第5号に掲げるもの
そのものの有する利害関係の内容
(3) 開示請求に係る公文書を特定するために必要な事項
(4) 前3号に掲げるもののほか,実施機関が必要と認める事項
2 実施機関は,前項の開示請求書が到達したときは遅滞なく審査を開始し,開示請求書に不備がある場合,その他の形式上の要件に適合しない場合は,速やかに開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し,相当の期間を定めて開示請求の補正を求め,又は開示請求を拒否しなければならない。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は,開示請求があったときは,開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「不開示情報」という。)が記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該公文書を開示しなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により,公にすることができないとされている情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により,特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)のうち,一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるもの又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることによりなお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により,又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命,身体又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第2項に規定する特定独立行政法人の役員及び職員を除く。),独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員,地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び氏名に係る部分であって,公にしても当該公務員等の個人の権利又は正当な利益を害するおそれがないと認められる情報
(3) 法人その他の団体(国,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,次に掲げるもの。ただし,人の生命,身体又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。
ア 公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上又は事業運営上の地位,その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて,公にしないとの条件で任意に提供されたものであって,法人等又は個人における通例として公にしないこととされているもの,その他当該条件を付することが,当該情報の性質,当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(4) 公にすることにより,人の生命,身体又は財産の保護,犯罪の予防及び捜査,その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関の長が認めるに足りる相当の理由がある情報
(5) 町と国,独立行政法人等,他の地方公共団体,地方独立行政法人,その他公共団体及び公共的団体(以下「国等」という。)との間における協議,協力,依頼等に基づいて実施機関が作成し,又は取得した情報であって,公にすることにより,町と国等との協力関係又は信頼関係が損なわれるおそれがあるもの
(6) 町の内部又は町と国等との間における審議,検討又は協議等に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,不当に町民の間に混乱を生じさせるおそれ,又は特定の者に不当に利益を与え,若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(7) 実施機関の行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれ,その他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査,検査又は試験に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,町の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に関する事務に関し,その公正かつ能率的な遂行を不当に害するおそれ
エ 人事管理に関する事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 町が経営する企業に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(公文書の一部開示)
第8条 実施機関は,開示請求に係る公文書の一部に不開示情報が記録されている場合において,不開示情報に係る部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求者に対し,当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認めるときは,この限りでない。
(公益上の理由による裁量的開示)
第9条 実施機関は,開示請求に係る公文書に不開示情報(第7条第1号に該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても,公益上特に必要があると認めるときは,開示請求者に対し,当該公文書を開示することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第10条 実施機関は,開示請求に対し,当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで,不開示情報を開示することとなるときは,当該公文書の存否を明らかにしないで,当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する決定等)
第11条 実施機関は,開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは,その旨の決定をし,開示請求者に対し,その旨並びに開示をする日時及び場所を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は,開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき,及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は,開示しない旨の決定をし,開示請求者に対し,その旨を書面により通知しなければならない。
(1) 本条を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限
(事案の移送)
第14条 実施機関は,開示請求に係る公文書が他の実施機関により作成されたものであるとき,又はその他の実施機関が開示決定等を行うことについて相当の理由があると認めるときは,当該他の実施機関と協議のうえ,当該他の実施機関に対し,事案を移送することができる。この場合において,移送した実施機関は,開示請求者に対し,移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは,移送を受けた実施機関は,当該開示請求について開示決定等をしなければならない。この場合において,移送をした実施機関が移送前にした行為は,移送を受けた実施機関がした行為とみなす。
(第三者の保護に関する手続)
第16条 実施機関は,開示請求に係る公文書に町及び開示請求者以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記載されているときは,開示決定をするに当たって,当該情報に係る第三者に対し,開示請求に係る公文書の表示,その他実施機関が定める事項を通知して,当該第三者の意見を聴くことができる。
(2) 第三者に関する情報が記載されている公文書を第9条の規定により開示しようとするとき。
3 実施機関は,前2項に定める手続がとられた場合において,当該公文書を開示するときは,開示の決定と開示を実施する期日との間に当該第三者が審査請求の手続を講ずるに足りる相当の期間を確保するとともに,開示の決定後速やかに,当該第三者に対し,書面により所定の事項を通知するものとする。
(平28条例12・一部改正)
(開示の方法)
第17条 公文書の開示は,文書,図画又は写真については,閲覧又は写しの交付により,フィルム及び電磁的記録,その他これらに類するものについては,視聴,閲覧又は写しの交付によるほか,その種別,情報化の進展状況等を勘案して,規則で定める方法により行う。
2 前項の閲覧又は視聴の方法による公文書の開示にあっては,実施期間は,当該公文書の保存に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき,その他正当な理由があると認められるときは,当該公文書の写しによりこれを行うことができる。
(費用負担)
第18条 この条例の規定による公文書の閲覧及び視聴に係る手数料については,無料とする。
2 写しの作成及び送付に要する費用については,規則に定める額を開示請求者が負担しなければならない。ただし,開示請求者が国又は地方公共団体である場合,及び開示請求が公益上の理由によるものであると町長が認めた場合を除く。
第3章 審査請求
(平28条例12・改称)
(審査請求)
第19条 実施機関がした開示決定等又は開示請求に係る不作為について不服がある場合は,実施機関に対し,審査請求をすることができる。
2 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については,行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は,適用しない。
(平28条例12・全改)
(審査請求に関する手続)
第20条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは,実施機関は,次の各号のいずれかに該当する場合を除き,矢掛町行政不服及び情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問して,その答申を尊重して,速やかに当該審査請求について裁決をしなければならない。
(1) 審査請求が不適切であり,却下する場合
(2) 採決で,審査請求の全部を認容し,当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(第三者から当該公文書の開示について反対の意思を表示した書面が提出されている場合を除く。)
2 前項の規定による諮問は,行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
(平28条例12・全改,令5条例5・一部改正)
(審査会へ諮問をした旨の通知)
第21条 前条の規定により,審査会に諮問した実施機関(以下「諮問実施機関」という。)は,次に掲げる者に対し,諮問した旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について,開示に反対の意思を表示した第三者(当該第三者が監査請求人又は参加人である場合を除く。)
(平28条例12・一部改正)
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し,又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し,当該審査請求に係る公文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
(平28条例12・一部改正)
第23条 削除
(平28条例12)
(審査会の調査権限)
第24条 審査会は,必要があると認めるときは,諮問実施機関に対し,審査請求に係る公文書の提出を求めることができる。この場合において,何人も審査会に対し,提出された公文書の開示を求めることはできない。
2 諮問実施機関は,審査会から前項の規定による求めがあった場合は,これを拒むことはできない。
3 審査会は,必要があると認めるときは,諮問実施機関に対し,請求拒否の決定があった公文書又はその部分及び請求拒否の理由とを分類又は整理した資料を作成し,審査会に提出するよう求めることができる。
4 前3項に定めるもののほか,審査会は,諮問された事案(以下「事件」という。)に関し,審査請求,参加人及び諮問実施機関(以下「審査請求等」という。)に意見書又は資料の提出を求めること,参考人(行政不服審査法第34条の参考人をいう。)に真実の陳述を求め,又は鑑定をさせ,その他必要な調査をすることができる。
(平28条例12・一部改正)
(審査会における事件の取扱い)
第25条 審査請求人等は,審査会に対し,口頭による意見の陳述を求めることができる。ただし,審査会は,その必要がないと認めるときは,その陳述を聴かずに答申をすることができる。
2 審査請求人等は,審査会に対し,意見書又は資料を提出することができる。ただし,審査会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは,その期間内にこれを提出しなければならない。
4 審査請求人等は,審査会に対し,審査会に提出された意見書又は資料(前条第1項に規定する公文書を除く。)の閲覧(電磁的記録にあっては,記録された事項を審査会が定める方法により表示したものの閲覧)を求めることができる。この場合において,審査会は,第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき,その他正当な理由があるときでなければ,その閲覧を拒むことができない。
6 前各項の規定により行われた処分については,審査請求をすることができない。
7 審査会の行う調査及び審議は,非公開とする。
8 審査会は,諮問に対する答申をしたときは,答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに,答申の内容を公表するものとする。
(平28条例12・一部改正)
第4章 削除
(令5条例5)
第26条 削除
(令5条例5)
第5章 補則
(他の制度との調整)
第27条 他の法令等の規定により公文書を閲覧し,若しくは縦覧し,又は公文書の謄本,抄本その他の写しの交付を求めることができる場合における当該公文書の閲覧又はその写しの交付については,当該法令等の定めるところによるものとする。
(実施状況の公表)
第28条 町長は,実施機関における公文書の開示の実施状況を取りまとめ,規則で定めるところにより,毎年度公表するものとする。
(情報公開の総合的な推進)
第29条 町長は,この条例に定める公文書の開示のほか,情報の提供その他情報公開に関する施策の充実を図り,町民に対する情報公開の総合的な推進に努めるものとする。
(利便の提供)
第30条 町長は,この条例の円滑な運用を確保するため,資料の提供その他開示請求をしようとするものの利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
(出資法人への協力要請)
第31条 町長は,町が資本金,基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している法人であって,規則で定めるものに対し,この条例の趣旨にのっとり,当該法人が管理する情報の公開を行うために必要な措置を講ずるよう協力を要請するものとする。
(公文書の管理)
第32条 実施機関は,この条例の適正かつ円滑な運営に資するため,公文書を適正に管理するものとする。
(委任)
第33条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,実施機関が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は,平成16年4月1日から施行する。
(適用)
2 この条例に基づく公文書の開示は,この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に作成し,又は取得した公文書について適用し,施行日前に作成し,又は取得した公文書については,文書保存目録が作成されたものから適用する。
附則(平成28年3月11日条例第12号)
この条例は,平成28年4月1日から施行する。
附則(令和5年3月22日条例第5号)
(施行期日)
第1条 この条例は,令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この条例の施行の際現に改正前の矢掛町情報公開条例第26条第4項に規定する矢掛町情報公開制度運営審議会の委員である者は,矢掛町行政不服及び情報公開・個人情報保護審査会条例(令和5年矢掛町条例第4号)第1条の規定により置く矢掛町行政不服及び情報公開・個人情報保護審査会の委員の委嘱を,この条例の施行の日に受けたものとみなす。